大きくは「リビング仏壇」「コンパクト仏壇」「伝統仏壇」の三種類があります。
お仏壇を買う ~予算・宗派~
● 宗 派
どの様式の仏壇を安置するかについては、宗派による決まりはないと言われています。浄土真宗の檀家に「金仏壇」が多い傾向があるものの、それは教義によるものではありません。ですから、まったくの好みだけでお仏壇を選んでも問題はないのです。
● ご 予 算
ご予算にも決まりはありません。ご購入されるお客様が決めるべきもの。価格が故人への思いや信仰の深さを測るものではないからです。
ただ、お仏壇はご購入されてから長きにわたって安置するものです。家屋やマンションとともに、子や孫の代まで伝わっていく場合もあります。ですから、価格は高めでも耐久性のあるものを選ぶことも選択のひとつといえるでしょう。
お仏壇は価格よりも、ご購入されてから心を込めてお参りすることが、何よりも大切なことではないでしょうか。
お仏壇を安置する ~部屋・方角~
● 部 屋
仏間があればそれに越したことはありませんが、どの部屋に置くべきという決まりはありません。居間や寝室に置いても、客間に置いてもいいのです。住居の条件とライフスタイルに合わせて、安置する場所を決めるのがいいでしょう。
● 方 角
安置する方角にも特別な決まりはありませんが、仏教で極楽浄土のある方角と言われている西に向かって拝むために東向きに安置したり、同じく神聖な方角とされている北に向かって拝むために南向きに安置することが多いようです。
● 自然環境
お仏壇をつくっている木材や漆は、とてもデリケートなものです。ですから、直射日光が当たらないこと、風通しが良いこと、湿気がなく、冷暖房の風と熱が直接当たらないこと、これらの条件を満たす場所が安置場所に適しています。
日本でお仏壇がまつられるようになったのはいつからでしょうか。
6世紀後半、今から1300年ほど前に、天武天皇が「諸国家毎に仏舎を設け、仏像及び経巻を安置し、以て三宝を供養すべし」と命じた記録が日本書紀に残されています。これが仏様を寺院だけでなく各家庭でお祀りする習慣の始まり、つまり仏壇の始まりだといわれています。ただ当時は、邸内に独立した持仏堂がつくれる貴族など、ごく一部の有力階級が祀っただけでした。
一般民衆も、氏神やご先祖様をまつる祭壇を様々な形式で持っていました。室町時代に入ると、その仏様を祀る場所が、いわゆる「床の間」になったのです。壁に仏画を掛け、三具足と呼ばれる花立・香炉・燭台を置いて、日常的に礼拝していました。私たちが日常生活をおくる畳の間よりも床の間が一段高くなっているのは、そんな風習の名残なのです。
全国的に一般民衆の家庭においても仏壇が安置されるようになったのは、さらに時代を経た江戸時代になってからです。キリスト教の禁止政策の一環として檀家制度がとられたことで、すべての家がお寺の管理下に置かれるようになりました。その結果、各家庭にも仏壇を安置して、仏様とご先祖様の供養をすることが奨励されたのです。